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Osaka

大阪の歴史を"現代(いま)"に伝える~歴史と自然が調和する大阪の公園巡り~

2025.03.18(Tue)

INDEX


はじめに

大阪は、古くから文化や経済の中心地として発展し、歴史的な出来事や、時代を築いた人々の足跡が多く残っています。

公園は、単なる緑地空間にとどまらず、歴史を語り継ぎ、市民に過去と現在を結ぶ大切な役割を果たしています。本記事では、大阪市内の5つの公園を通じて、それぞれの歴史的背景や見どころを探ります。きっと新たな大阪の姿に出会えるはずです。

1. 大阪城公園 – 歴史の鼓動が聞こえる城跡

歴史的背景

大阪城は、戦国時代を代表する武将・豊臣秀吉が築いた、大阪のシンボルです。大坂の陣による落城を経て、徳川幕府による再築や明治維新の動乱、さらには陸軍の管轄を経るなど、日本の歴史と深く結びついてきました。

豊國神社には、豊臣秀吉をはじめとする豊臣家の人々が祀られており、境内に立つ“豊臣秀吉公像”は、天下統一を成し遂げた秀吉の強い意志を今に伝えています。

見どころ

  • 大阪城天守閣:昭和6年(1931)に市民の寄付で復興された大阪城天守閣は、国登録有形文化財に指定されています。城内の歴史博物館では、豊臣秀吉や戦国時代の貴重な展示を見ることができます。
  • 豊松庵(茶室):豊松庵の茶室は、秀吉が千利休を迎えた史実に基づき、市民に茶を楽しんでもらおうと、昭和44年(1969年)に松下幸之助氏によって大阪市に寄贈されました。
  • 四季折々の花々:城内各所に植えられた桜や、美しく手入れされた桃園、梅園、あじさい・うつぎ園が、公園に彩りを添えています。
西の丸庭園からみた天守閣

大阪城天守閣

開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:12月28日~1月1日
利用料金:通常料金大人 600円、中学生以下 無料
公式ホームページ:https://www.osakacastle.net/
※チケット購入方法や団体料金などは公式ホームページよりご確認ください。
※本情報は2025年3月現在のものです。最新の情報は、お出かけ前にご確認ください。

豊松庵

期間:11月~翌年2月まで(要予約)
休園日:(祝日の場合は翌平日)および年末年始(12/28~1/4)
利用料金:茶室(広間・小間・立礼・水屋)28,000円/付属設備(冷房・暖房とも1時間につき)700円
公式ホームページ:https://www.osakacastlepark.jp/articles/detail.html?id=33&lang=ja
※申し込み方法などは公式ホームページよりご確認ください。
※本情報は2025年3月現在のものです。最新の情報は、お出かけ前にご確認ください。

2. 毛馬桜之宮公園 – 文人たちが愛した風景

歴史的背景

毛馬桜之宮公園は、江戸時代から桜の名所として知られ、浪花百景の一つ「さくらの宮景」として浮世絵にも描かれています。

この地は、江戸時代に活躍した俳人・画家として知られる、与謝蕪村の生まれ故郷でもあります。

また、関西を代表する実業家・藤田伝三郎が築いた旧藤田邸庭園は、当時の華やかな文化と自然が調和した空間として、今も人々に親しまれています。

見どころ

  • 桜並木:淀川沿いや造幣局の桜は、大阪を代表する桜の名所で、春には一面に広がる桜の風景が見事です。
  • 与謝蕪村の句碑:公園内には、与謝蕪村にちなんだ句碑が点在し、文学と自然が融合した趣のある散策が楽しめます。
  • 旧藤田邸庭園:園内の一部に残された庭園遺構は、大阪市指定文化財(名勝)の指定を受けており、また南北に広がる築山や滝などの自然の情景を楽しめます。また、隣接する藤田美術館は、明治から大正時代にかけて建てられた藤田家邸宅の蔵を改装し。展示室として再利用したもので、東洋美術の貴重なコレクションを鑑賞できます。
桜並木
蕪村の筆跡
旧藤田邸庭園

旧藤田邸庭園

開園時間:10:00~16:00
休園日:年末年始 ※施設の管理運営上臨時休園があります。
入場料:無料
公式ホームページ:https://www.osakacastlepark.jp/articles/detail.html?id=33&lang=ja
※本情報は2025年3月現在のものです。最新の情報は、お出かけ前にご確認ください。

3. 天王寺公園 – 文化と自然が出会う場所

歴史的背景

天王寺公園内にある茶臼山は、大坂冬の陣、夏の陣の舞台となりました。特に、夏の陣では真田幸村の本陣が置かれ、「茶臼山の戦い」の激戦地として知られています。

また、公園内の慶沢園は、江戸時代からの大阪の豪商・住友家15代吉左衛衞門(号は春翠)が私邸として造営した庭園です。その後、大阪市に寄贈され、本邸の土地に建てられた大阪市立美術館とともに現在も多くの人々に親しまれています。

見どころ

  • 茶臼山と和気橋(わけばし):公園と茶臼山を結ぶ和気橋を渡ると、山頂からは大阪の街並みを一望できます。山頂には大坂の陣に関する史料や地図、石碑などが設置されており、歴史好きにはたまらないスポットです。
  • 慶沢園:池泉回遊式庭園の代表作として知られ、小川治兵衛が手がけた名園として名高い場所です。四季折々の景観が楽しめ、2025年春のリニューアルオープンでさらに魅力的な空間へと生まれ変わります。
  • 大阪市立美術館:2025年3月1日に「ひらかれた美術館」として新装オープン。中央ホールが無料ゾーンとして開放され、より気軽にアートに触れられる場となります。文化と自然が調和する空間で、心豊かなひとときをお楽しみください。
慶沢園・大阪市立美術館

慶沢園

開園時間:9:30~17:00(入園は16:30まで)
 ※ただし、5月・9月の土曜日・日曜日・祝日は18時まで開園(入園は17時30分まで)
休館日:毎週月曜日(休日にあたる場合は翌平日)、年末年始(12月29日から1月1日)
慶沢園入園料:大人 300円、大学生・高校生(大学・高校に準ずるものの学生・生徒を含む) 200円、小中学生、未就学児 無料
慶沢園・大阪市立美術館 共通入場券:大人 600円、大学生・高校生(大学・高校に準ずるものの学生・生徒を含む) 300円、小中学生、未就学児 無料
※団体料金やその他の料金は公式ホームページよりご確認ください。
※本情報は2025年3月現在のものです。最新の情報は、お出かけ前にご確認ください。

大阪市立美術館

開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日休館)
    年末年始(12月28日~1月4日)※年によって変更になる場合があります。
入館料:
  ●企画展示 一般 300円、高校生・大学生 200円、中学生以下無料
  ●特別展・特別陳列などの料金は別途定めます。
公式ホームページ:https://www.osaka-art-museum.jp/
※団体料金やその他の料金は公式ホームページよりご確認ください。
※本情報は2025年3月現在のものです。最新の情報は、お出かけ前にご確認ください。

4. 加賀屋緑地 – 農の歴史が息づく公園

歴史的背景

加賀屋緑地は、江戸中期の1750年代に大阪の両替商・加賀屋甚兵衛が、新田開発の拠点として築いた会所です。この会所は、加賀屋新田の管理や、文化人との交流の場として利用されるなど、地域の管理や運営に重要な役割を果たしました。

歴史の変遷とともに姿を変え、平成13年には「加賀屋新田会所跡」として大阪市指定文化財に指定されました。

見どころ

  • 茶室(鳳鳴亭):木造平屋建で高床式の舞台造が特徴的な茶室です。現在では入手困難な木材を使用し、池に迫り出すような美しい造形を誇っています。
  • 旧書院:宝暦4年(1754年)の建設当時のままの姿を残す書院は、江戸時代の趣を肌で感じられる貴重な建築物です。特に、各部屋を仕切る襖絵は、雪舟四代目と称された雲谷等益による力作で、歴史と芸術の深みを堪能できます
  • 庭園:小堀遠州流の築山林泉回遊式庭園であり、自然と建築が見事に調和した美しい空間であり、大正時代に「愉園」と名付けられ、大阪名園の一つになっています。
加賀屋新田会所跡

加賀屋緑地

※2025年秋頃まで休園
開園時間:10:00~16:30
休館日:毎週月曜(当日が休日の場合はその翌日)、年末年始(12月28日から1月4日)
入園料:無料
※本情報は2025年3月現在のものです。最新の情報は、お出かけ前にご確認ください。

5. 天保山公園 – 港町大阪の歴史が広がる場所

歴史的背景

天保山周辺は、安治川の河口部(当時の淀川本流)にあり、江戸時代中期に川砂を積み上げて作られた人工の山です。安治川は全国の船が行き交う大坂の玄関口として栄える一方、上流から流れ込む土砂の影響で、水運の確保や洪水防止のために頻繁な川ざらえが行われていました。

浮世絵「浪花百景」や葛飾北斎の作品にも描かれるなど、江戸時代の大阪を代表する景観の一つとして知られています。

また、明治元年には日本初の観艦式がここで行われ、記念碑「明治天皇観艦之所碑」が建てられています。

見どころ

  • 浮世絵の陶板:公園内には、天保山を題材にした浮世絵を陶板にしたものが設置され、当時の港町の風景を感じられます。
  • 日本一低い山:二等三角点がある山として、現在も日本一低い山に認定されています。標高はわずか4.5メートルで、ユニークな記録を持つこの場所は、登山の記念撮影スポットとして人気です。
  • 明治天皇観艦之所碑:明治元年、明治天皇が新政府の軍艦を観艦した歴史を伝える行幸記念碑が建っています。
歌川貞升 作「浪花天保山風景」
明治天皇観艦之所碑

今回ご紹介した公園は、大阪の歴史的な魅力を現代でも感じられる場所をクローズアップしてみました。

それぞれが歴史と自然が調和した貴重な空間を提供しており、訪れることで大阪の深い歴史と文化を身近に感じることができます。ぜひこれらの公園を訪れて、大阪の魅力を再発見してみてください。

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