1990年、鶴見緑地で開催された「国際花と緑の博覧会(花博)」。そして2025年、夢洲で開催された「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」。35年の時を経て、二つの博覧会を”みどり”でつないできた大阪市の取組をご存知でしょうか。
大阪市は万博をきっかけに、会場だけでなく、難波宮跡公園や鶴見緑地、まちなかの花壇まで、さまざまな”みどり”に関する施策を展開してきました。今回は、その歩みを大阪・関西万博の「開催前」「開催期間中」「開催後〜未来」の3つの時期に分けてご紹介します。
INDEX
万博前 ―大阪のみどりの”整備”―
万博で大阪を訪れる方々を迎える前に取り組んだのは、大阪のみどりを「整備」し、みどりの魅力を向上させることでした。ここでは、大阪・関西万博の開催に向けた取組の一例をご紹介。
難波宮跡公園の整備
難波宮跡は、「大化改新」(645年)による難波遷都から長岡京遷都(784年)までの約150年間、首都あるいは副都として、我が国の古代史上に大きな役割を果たした宮殿遺跡。現在は14.5haもの範囲が国の史跡になっており、大都心の真ん中でこれほど広い面積の遺跡が保存された例は全国的にもありません。その遺跡を、大阪・関西万博を機会に国内外問わず多くの来訪者にアピールしていくため、また、大阪府内への歴史的な観光資源への回遊拠点として、大阪の歴史魅力を体験できるように、これまで未整備であったエリアにおいて、官民連携により回廊等の遺構表示や芝生広場、飲食店、売店等の整備を行いました。



都市公園の整備・魅力向上
① 鶴見緑地
鶴見緑地内にある国際庭園は、1990年に開催された花博にあわせて整備され、博覧会に参加した国や機関などの特色を生かした60か所の庭園で構成されています。花博開催から30年以上が経過し、施設の老朽化が進む中、過去の博覧会開催のレガシーとして、大阪・関西万博開催にあわせて、山のエリア内にある国際庭園の改修など、大規模な改修を行いました。
また、風車の丘やエントランスエリアの園路の美装化などを行い、快適にご利用いただける環境を整備しました。




② 天王寺公園
天王寺公園内の慶沢園は、住友家15代当主吉左衞門(春翠)の、茶臼山本邸の庭園として、1908年から1918年にかけて造営された大阪市指定名勝の日本庭園です。
大阪・関西万博の開催に向けて、慶沢園の作庭当時の本来の姿や文化財庭園としての魅力向上を図るため、樹木の仕立て直しや芝生空間の復元、園路整備等を実施。また、券売所のリニューアルや茶室の耐震化を行い、快適にご利用いただける環境を整備しました。




③中之島公園、靱公園
中之島公園・靱公園のバラ園では、バラの補植や植替えによるリニューアルを実施。みなさんにより親しまれるバラ園へと生まれ変わりました。




万博アクセスルートの樹木管理
大阪・関西万博来場者の安全かつ円滑な移動を実現するため、万博会場へのアクセスルートにおいて、街路樹の剪定や補植などの環境整備を行いました。大阪を訪れる方に美しいまちや大阪の良さを感じていただけるよう、街路樹の美しい樹形や心地よい緑陰により、本市一丸となって「おもてなし」のための環境整備を実施しました。
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PARK JAM EXPO 2024-2025(プレイベント)(2024年11月3・9・10日)
2024年11月には、花博の開催地・鶴見緑地で”公園版 未来社会の体験”をコンセプトに万博連携イベント「PARK JAM EXPO 2024-2025」のプレイベントを開催。「鶴見緑地を知る」をキーワードに、花・緑の異文化体験や市民参加型のワークショップ、公園の利用や管理における最新技術の展示など、さまざまなプログラムを行いました。




万博開催中 ―まちで”届ける・楽しむ”―
2025年4月13日、いよいよ大阪・関西万博が開幕。会場の夢洲だけでなく、大阪のまち全体がにぎわいの舞台となりました。公園を活用したイベント、花と緑のおもてなし、そして万博会場での大阪のPRなど、市民や来阪者が体験し、楽しめる多彩な取組みを展開しました。
PARK JAM EXPO 2024-2025 (2025年4月13日~5月12日、2025年9月14日~10月13日)
大阪・関西万博開催期間のはじめと終わりの1か月間、花博の開催地・鶴見緑地にて、「公園版 未来社会の体験」をコンセプトに万博連携イベントを開催しました。「未来の公園展」では芝刈りロボットやロボット動物園など、今後の維持管理の低減や新たな公園の楽しみ方の発見につながる技術を展示しました。公園で「やってみたい」と「応援したい」を繋ぐマッチングプラットフォーム「park-connect」の実証実験では、公園活用のアイデアを持つプレーヤーと、その思いを支えるサポーターを募集し、サポーターから提供いただいた端材や絵具を使ってワークショップや参加型のアートライブが実現しました。今回の実証実験をもとに、今後も公園活用を広く展開していくための公園活用を支える仕組みづくりに取り組んでいきます。
また、普段は公園の利用者が少ない夜の時間帯の活用にも取り組み、「スカイランタン」や「ナイトシアター」などを実施。多くの方々に参加いただけたことから、夜の時間帯での新たな公園活用について可能性が広がりました。
○未来の公園展


○公園活用プログラム(「park-connect」の実証実験)


○夜の公園活用


体験!発見!ミライOSAKA(2025年7月24日・25日)
7月24日・25日に万博会場ギャラリーEASTにおいて、「まちを支える、さまざまなフィールド(インフラ)の未来を体験~賑わい・楽しむ・心豊かな未来社会の体験~」をテーマに「みち・みどり・みず」の3ゾーンでPR ・体験型展示を展開しました。
みどりゾーンでは、未来の鶴見緑地を体験できるVRコーナーや、おしゃべりする花や、公園管理の課題を解消できる芝刈りロボットや路面ソーラーなどの最新技術の展示、フラワーウォールの展示やワークショップなどを実施し、公園の未来について考えていただくきっかけとなりました。




花飾りプロジェクト(2025年4月13日~10月13日)
新大阪駅や大阪駅などの主要ターミナルや宿泊ホテル、観光スポットが集まる市内の主要集客エリアを花で彩る取組です。約300基のプランター・花壇に約5万株の花を植栽し、万博をイメージしたカラーの花々が来阪者を華やかにお出迎えしました。
また、企業との協働や市民参加の取組として、大阪駅と天王寺駅ではスポンサー花壇を設置し、鶴見緑地ではおもてなし花壇の花植えイベントを実施しました。



万博後〜未来 ―レガシーを”未来へつなぐ”―
万博は10月13日に閉幕しましたが、取組はここで終わりではありません。
「PARK JAM EXPO 2024-2025」で実施したような取組の成果を今後のみどりのまちづくりのレガシーとしていくため、今後、身近な公園における「みんなで公園活用事業(パークファン)」などの公園活用の継続的な展開につなげ、多様な主体によるみどり空間の幅広い活用を推進していきいます。
樹木管理も新たなフェーズに入っています。
まずは、昨年度の11月に策定した「大阪市街路樹・公園樹マネジメント戦略」に基づき、定期的な点検とデータの蓄積を行いながら、市域全域で計画的な樹木の維持管理を行っていきます。
さらに、万博会場へのアクセスルートであった街路樹を対象に進めてきた丁寧な剪定は、引き続き取り組み、大阪が多くの人をひきつけ魅力ある都市となることをめざします。
また、万博開催前から進めてきた「i-Tree(※)」を活用した樹木がもつ多様な機能や価値を発信・共有する取組を進めるとともに、ポータルサイトやSNSなどの多様なツールを活用したみどりの情報発信・共有に取り組むことで、多様な主体によるみどりのまちづくりを推進していきます。
(※)i-Tree(アイツリー):アメリカで開発された、樹木の環境貢献度を数値化するツール。現在40か国以上で利用されている。
(参考)i-Treeの特集記事はこちら
おわりに
1990年の花博から35年。2025年の万博を経て、大阪市ではさまざまな“みどり”に関する施策を行ってきました。
万博が終わっても、公園や樹木は変わらずそこにあります。お近くの公園や道路を歩くとき、ぜひ大阪のみどりに目を向けてみてください。私たちの暮らしを静かに支えてくれている存在に、きっと新しい発見があるはずです。


